当園では、よく知られる「幸水(こうすい)」、「豊水(ほうすい)」の他、埼玉県オリジナルの高級品種「彩玉(さいぎょく)」や冬までお楽しみいただける「王秋(おうしゅう)」など様々な品種を栽培しています。
★南水・ラフランス・晩三吉は少量のため袋販売のみ
当園で栽培している12種類の梨を収穫期の順にご紹介します。
幸水(こうすい)
1959年に現在の農研機構で誕生し、長年親しまれている和梨の代表品種です。
甘くて水分が多くシャリシャリとした食感が特徴です。酸味はほとんど感じません。
当園では7月下旬に収穫が始まり、お盆の頃には終了してしまう、盛夏の梨です。
ほどよく冷やして一口食べれば、うだるような暑さの中にもひとときの涼を感じられます。
豊水(ほうすい)
1972年に現在の農研機構で誕生し、「幸水」と並んで和梨を代表する品種です。
濃い甘みと酸味のバランスが良く、熟すとリキュールのような芳醇な香りがします。
果肉はやや軟らかくジューシーな梨です。
当園では8月下旬から収穫が始まります。
豊水を食べると、まだまだ暑い中にもなにか夏の終わりを感じます。
彩玉(さいぎょく)
埼玉県の農業試験場で「新高」と「豊水」を交配して育成され、2005年に品種登録された埼玉県オリジナルの品種です。
現在は県内でしか栽培することができません。
非常に甘味が強く、酸味はあまり感じません。
果肉はやや柔らかめですが、シャリシャリとした食感もあります。
果実はとても大きく、1個が500g~大きいものでは1㎏近くなることもあります。
高級品種として百貨店や果物専門店で扱われ、大変人気があります。
あきづき
「新高」×「豊水」に「幸水」を交配して、2001年に農研機構から生まれた比較的新しい梨です。
従来品種の良いところばかりを受け継いでいます。甘くて酸味が少なく、硬すぎず柔らかすぎず食感が良く、きれいな丸いフォルムで、
“梨の完成形”とも呼ばれています。
その名のとおり中秋の名月のような姿と、口いっぱいに広がるふくよかな味わいからは実りの秋を存分に感じられます。
南水(なんすい)
1990年に長野県の農業試験場でできた品種です。
非常に甘みが強く、ほどよい酸味があり、果肉がきめ細かく柔らかいのが特徴です。
果実は扁平で、他の品種に比べ皮が赤くなりやすいです。
とても美味しく、高級品種としても人気がありますが、信州育ちの南水には埼玉の暑さは堪えるようで、
当園では木に負担をかけないように小玉で少量だけ生産しています。
甘太(かんた)
「王秋」と「あきづき」を交配して、2015年に農研機構で生まれた青ナシの新品種です。 「甘くて太っている」の名のとおり、
非常に強い甘味とさわやかな酸味があり、どっしりと安定の良い形をしているのが特徴です。
果肉はとてもジューシーでなめらかな食感で、500gほどの大玉になります。
新しい品種なのでまだあまり見かけませんが、“梨の完成形”と言われるあきづきを超えるかもしれない、“梨の進化形”です。
新高(にいたか)
1927年に当時の東京府立園芸学校で誕生し、100年近く栽培されている種類です。
甘くて酸味は少なく、とても大きくて立派な梨です。
少し硬めでシャリシャリとした歯ごたえがあります。
食感で好き嫌いが分かれることもありますが、昔ながらの味を好まれる方も多いです。
にっこり
1996年に栃木県の農業試験場でできた品種です。
はじめは栃木県内での栽培に限られていましたが、とても美味しいので、 全国に解禁されてすぐに当園でも栽培を始めました。
甘みと酸味のバランスがよく、果肉は柔らかめです。大玉で700gほどになります。
食べると思わず笑みがこぼれてしまう梨です。
新興(しんこう)
1941年に新潟県の農業試験場でできた種類です。
さわやかな酸味が特徴の甘酸っぱい梨です。
よく日持ちし、徐々に酸が抜けて甘く、柔らかくなります。
早採りのものは、レモンのような風味がありシャリシャリとして、サラダなどにしてもおいしいです。
ラ・フランス
フランス原産の西洋梨です。日本には明治時代初めにやってきました。
芳醇な香り、濃い甘み、なめらかできめ細かくジューシーな果肉が特徴です。
当園での収穫は10月中旬ですが、追熟が必要で、食べごろは11月~12月です。
ラ・フランスが美味しくなる頃には、外はすっかり冬の空気に変わっています。
王秋(おうしゅう)
2003年に農研機構から生まれた大玉品種です。
実りの秋をしめくくる晩秋の梨で、大きくて堂々とした形が特徴です。
チュウゴクナシが交配されているため、卵のような独特の形をしています。 酸味と甘みのバランスが良く、果肉は柔らかめです。
冷蔵庫で長く保存できるので、冬までお楽みいただけます。
晩三吉(おくさんきち)
明治時代にはすでに食べられていたという非常に古い種類の梨です。
甘酸っぱく、果肉は柔らかめです。
大玉でよく日持ちするため、昭和の頃にはりんご、バナナ、みかんと一緒に籠に入って、お見舞いの定番だったそうですが、
現在ではほとんど見かけなくなりました。収穫は11月頃ですが、年明け頃に食べると酸味が少し抜けて美味しくいただけます。